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大三島 憩の家 改修プロジェクト

2018年4月、建築家・伊東豊雄さんが塾長を務める伊東建築塾監修のもと、改修され、生まれ変わった「大三島 憩の家」。しまなみ海道の大三島にある、廃校となった古い小学校の校舎を改装した宿泊施設です。 私たちチーム・ヨッシは、施工全般の担当としてこのプロジェクトに参加しました。

大三島憩の家_1

後世に残すべき建築

 大三島宗方地区にある「大三島 憩の家」は1986年に廃校となり、1988年から宿泊施設として活用されていた築80年の木造建築でした。 しまなみ海道開通後、近年多くのサイクリストが訪れる民泊でしたが、雨漏りや耐震上の問題でその継続が危惧されていました。一時期は取り壊して新たな宿泊施設を建てる話も出ていたそうですが、そこに待ったをかけたのが伊東豊雄さん。大三島の自然や文化に魅せられた伊東さんは、「こんなに素晴らしいものを壊してはいけない。この佇まいは後世に残すべき」と、リノベーションによる保存・再生を提案されたのです。

大三島憩の家_2

かつての面影を生かして

今回の改修では、長い板張りの廊下など、昔の木造校舎の面影を残しつつ、雨漏りする屋根を改修し、耐震補強を実施。また、瀬戸内海を臨む展望風呂の新設や客室の一部洋室化なども行い、今まで以上に居心地よく豊かな趣のホテルに生まれ変わりました。さらに2階にはイベントやワークショップなども開催できるサロンを設けたことで、宿泊施設としてだけでなく、地元の人々が集まる場所にもなり、島の人と旅行者の新たなコミュニティの形成にもつながっています。

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自然と一体となる心地よさ

今回のプロジェクトにおいては、屋根を葺き替えたり、和室を洋室に変えたりという外見の改修と同時に、耐震改修、温熱環境の改修も行っています。「自然の力を最大限に活かす」という伊東さんの考え方のもと、地域の気候風土に順応し、太陽と風をうまく利用する「パッシブ・デザイン」を取り入れたリノベーションにより施工。この経験により、私のリフォーム、リノベーションに対する考え方は劇的に変わりました。

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大三島「憩いの家」紹介動画